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'20/10/5 「欧州コロナ大量死」を読んで

文藝春秋10月号にジャーナリスト宮下洋一氏『介護施設を襲った「欧州コロナ大量死」』の一文がある。

それを参考にコメントしたい。(尚、死者数等は直近のWHO発表に訂正しています)

 

『スペインのコロナ大量死の引き金となったのは2008年から6年間続いた経済危機の影響で膨大な額の医療費削減が実行されたからだ、と本誌6月号で指摘した。

しかし、それとは別な要因もあった。

民族の違いや遺伝的な「ファクターX」の有無とは無縁の「命の選別(トリアージ)」による悲劇だった。』

そして、次の様に記述する。

『集団感染が発生した高齢者介護施設では、感染した入所者が隔離され、病院搬送が行われないまま死を待った。施設に来た医師は、流れ作業の様にモルヒネを投与して死に導くよう指示を出していた』

 

次の数字は彼の文中に掲載された国の、

①直近のコロナ感染死者数(国全体)、

②高齢者介護施設でのコロナ感染死者数(文中からの比率で計算)、

③は②÷①の比率です。

1.スペイン①32,086②21,925③68%

2.フランス①32,606②11,065③34%

3.イギリ①42,350②21,000③50%

4.ベルギー①10,044②5,000③50%

5.ポルトガル①2,005②800③40%

【5カ国合計】①118,715②59,790③50%

 

高齢化社会を迎える各国の考え方が多様な事が分かる一文である。

若者を犠牲にする訳には行かないと政治家が判断してその支持者が多いという事で、

このコロナ禍で医療崩壊の危機を避けるために高齢者を犠牲にしている。

しかも、その決断を公にせず、家族にも知らせず一片の通知で済ませている。

確かに公にすれば反響が大きく結論を得るまでに時間がかかり医療崩壊が起こったかも知れない。

しかし、それ以前に、過去に医療費の大幅な削減政策が取られていたという事実がある。

そこには、高齢者をいざとなれば切り捨てるという思惑があったと推定される。

実はスウェーデンの厚い福祉政策の陰にもこの様な高齢者切り捨てへのコンセンサスがあるとの一文も読んだ記憶がある。

 

厚い福祉は一方で大変な負担を現役世代にかける訳で長寿に対する一定の線引きをせざるを得ず、

社会的なコンセンサスを得ている様だ。

それはそれで一つの選択肢で我々がとやかくいうことは出来ない。

 

しかし、トリアージ(命の選別)の実態のレポートを読むと流石に恐ろしい。

日本に居るとそんな議論は今は公にされていない。

しかし、超少子高齢化社会が現実化している今、我々はその問いかけを突きつけられているのかもしれない。